【雑談】手術目の人がパイロット採用試験で課せられる”追加試験”とは。

再びパイロットとレーシックに関する雑談回。

近年パイロットにレーシックが認められる動きがあります。(実情はわかりませんが、少なくとも募集の段階で禁止はしていない。)

恐怖の”追加検査”

レーシックをした人用の追加検査の概要です。

第一種航空身体検査の屈折矯正手術部分(レーシック)についての引用部分です。

 引用元:https://www.aeromedical.or.jp/manual/manual_9.htm#9-1

大きく4点書いていますね、それぞれ見ていきましょう。

大前提としてレーシック後6か月以上が経過している必要があると書いていますね。これを満たしたうえで、追加の検査をパスする必要があります。

(1)視力の比内変動(同日3回以上の測定結果)

これは単純、書かれているとおりです。

一日の中で3回視力検査を実施(朝・昼・夕など)、3回で視力が変動しないかを検査します。

「変動」がピンと来ない方もいるかも知れませんが、実は一日の中で視力は変動しています。(朝がよく見えて夕方になると疲れにより見えづらくなるというのはよくある話です。)

レーシックをしたことで何かしらに影響が出て、視力の変動がとても大きくなってしまったりしていないかを単純に確かめます。

(2)コントラスト感度

レーシック手術を受けた後、視力そのものは向上しますが、人によって大小ありますがコントラスト感度が低下します。

コントラスト感度とは、明るい場所や暗い場所で微妙な濃淡を見分ける能力のことです。パイロットはさまざまな視界条件下で飛行するため、この感度が十分であるかどうかを確認する必要があります。

テストの概要を以下にまとめます。

下の画像はコントラスト検査に用いられる機器です。

参考:https://www.nsl.nikon.com/jpn/products/ophthalmic/csv_1000

   https://www.nsl.nikon.com/jpn/products/ophthalmic/csv_1000/test.html

A,B,C,Dは縞模様の例です。

そしてそれぞれの行に対して左から順番に1〜8が並んでいます。

要するに、「縞がついている図形を当てる」ゲームです。

〜具体的なテストの流れ〜

■テストの流れ

上図のように、A段の1から順番に右方向に進めていきます。

8まで到達or途中で見えなくなったら(※後述)B段に移り、同様に右方向に進めていきます。

同様にC,D段も実施して終了。

■テスト内容

A段を取り出して見てみましょう。

1には上下に2つのマル図形があります。

その2つの内、どっちに縞模様が描かれているかを、「上」「下」のどちらかで答えます。

(「縞なし」はありません。必ずどちらかに縞模様があります。)

縞模様の例はAに書いています。

見ておわかりのように、1から8にかけて段々と縞模様が薄くなっています。

レーシックをして「コントラストの低下」が起こってしまうと、白と黒の濃淡の判別があまりできなくなり、検査結果が悪くなってしまいます。

これをB,C,Dすべての段で実施し、コントラスト感度を数値として出します。

あまり言いたくないですが、これの対策(?)については別記事でしっっっかり暴露してしまおうと思います!

ただし、コントラスト検査に使用される機器は上記以外にもあります(アルファベットを使ったようなやつ)。

航空大学校受験においてはいわゆる正常な目であるということを証明する「診断書」があればよかったので、どの機器でテストをしようが関係ありません。最終的に「以上なし」の診断書がドクターからもらえれば何でも良いです。

※4年前の情報です。

(3)グレアテスト

実はこれは(2)に包含されています。

コントラスト感度テストに使用されている機器の写真(前述)を見ていただくと、左右に光源があると思います。

グレアの症状が強い人は、この光が広がって見えてそもそも縞模様が見えないという事態に陥ります。

よって、縞模様が見えている時点でコントラストとグレア、両方問題ないということになります!

私は横に光源がない機器で計測した記憶があります。

ただその場合も、そもそもこの機器は裏側から光を発しているわけで、同じくグレアの症状が強い人はよく縞模様が見えないはずです。「コントラストグレアテスター」と呼びます。

(4)角膜形状解析

これについては、別記事でも書きましたが、

「ケラトエクタジア」になっていないかを確かめるものです。

眼科においてある専用の機械によって角膜の形状を測定します。

検査自体で我々患者ができることはない(だまっているだけ)のですが、この「ケラトエクタジア」は検査の有無に関わらず、何としても避けなければなりません!

詳しくは別記事https://jin-mori19.com/?p=101をご覧ください!

もしパイロット志望の方がいらっしゃったらアドバイス…

術前に、術後にしてもらいたいテスト内容とどういう結果を出してほしいかをすべてお話しておいたほうがいいです!

もっというと、過去にパイロット志望(現役パイロットはもちろん)に対する手術の実績があればなおよしです!

幸運をお祈りしています!

GOOD LUCK!!(おいちょまーてーよ)

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